健康維持に
かかせない栄養素

冷え

人間のからだに必要な栄養素、酸素、水、白血球などの免疫物質は血液によって体中に運搬されています。からだが冷えて血管が収縮することで血流が悪くなると、さまざまな悪影響を及ぼすのです。女性特有の症状である貧血や生理痛、生理不順、卵巣の機能低下による不妊なども「冷え」が一つの原因と考えられています。特に女性は男性に比べ筋肉量が少なく熱を作りにくいため、冷え性になりやすく、さまざまな症状を引き起こしやすくもあるのです。

からだを冷やす主な原因とは?

生活環境の変化から若い方の冷え性が増えてきています。「冷え」の原因を知り、生活環境を見直してみることも大切です。

自然からはずれた食生活 季節や気候を無視した食事のとりかた
からだ(筋肉)を動かさない 文明の利器に頼った生活(車や電車、家電製品の普及)
日常的な食べすぎ 消化のために血液が胃腸に集中し、それ以外の部分が冷える
水分の取りすぎ 冷たい飲み物の取りすぎや水分代謝の異常、胃腸機能の低下によって水分過多になり体が冷える
からだを締めつける服装・薄着 血流が悪くなったり温度を感知する皮膚の神経機能が鈍くなる
冷えのタイプと治し方

人によって「冷え」のタイプは異なります。それぞれのタイプに合わせた対処方法を選ぶことで、改善効果も上がります。

タイプ 共通 症状 治し方 とりたい食品
胃腸が弱い 足腰が冷える
手足の冷え
肩こり
食欲不振、腹部の冷え、下痢、むくみ、無気力 お腹を温める にら、かぼちゃ、山いも、さば、鶏肉 など
貧血気味 血色が悪い、健忘、肌荒れ、疲れやすい 食事をしっかり食べる 肉、魚、大豆製品、あさり、ひじき など
体力の低下 足腰がだるい、腰痛、耳鳴り、骨・歯がもろい からだを温め、体力をつける にら、くるみ、栗、豚肉、えび、にんにく
血液の滞り のぼせ、生理痛、頭痛、肩こり、便秘、肌のくすみ 血液の滞りをなくす
血液をサラサラにする
いわし、さば、小豆、里芋、桃、野菜、酢
からだを温める・冷やす食材を知る

食材は「温める」、「冷やす」、「中性」の3つの性質に分けられます。「温める」食材は、血のめぐりを良くし冷えを取り除いてくれます。「冷やす」食材は、余分な熱や水分を排出するほか、消炎・鎮静作用などもあります。自身のからだの状態に合わせて食材を選び、その効果を利用することをおすすめします。

【春】

冷やす グリーンアスパラ、たけのこ、せり、いちご、ぜんまいあさり、うに
中性 グリーンピース、じゃがいも、キャベツ、そら豆
温める みつば、菜の花、ふき、うど、玉ねぎ

【夏】

冷やす きゅうり、オクラ、トマト、冬瓜、なす、ゴーヤ、枝豆、シジミ、ハモ
中性 ピーマン、とうもろこし、びわ、ぶどう、イカ、クラゲ、にしん
温める かぼちゃ、いんげん、しそ、にら、にんにく、桃、ウナギ、アジ

【秋】

冷やす 梨、柿、あさり
中性 さつまいも、里芋、りんご チンゲン菜、しいたけ、サンマ
温める 新しょうが、くるみ、栗 イワシ、カツオ、サバ

【冬】

冷やす ごぼう、大根、れんこん、キウイ、みかん、シジミ、カキ、タコ
中性 人参、白菜、山芋、カリフラワー、ブロッコリー、レモン、ホタテ ヒラメ、タラ
温める 小松菜、山芋、ねぎ、かぶ、マグロ、ブリ、エビ、ふぐ
からだを温める食事のとり方
  • 野菜は生でなく加熱してたべる ※右にいくほど温める作用が強くなります
  • 心理カウンセリング
  • 「冷やす」食材を食べる時には、「温める」食材と合わせることで、冷やす効果を和らげます
  • 心理カウンセリング

カルシウム

カルシウムは、私たちの骨と歯の形成には欠かせないものです。しかし、食べ物から摂取するしか方法が無いので、意識して食べないとすぐに不足してしまいます。妊婦の場合、赤ちゃんにカルシウムが移行するため特に不足しやすくなります。カルシウムはからだに吸収されにくいので、多く含む食品を食べただけでは増やすことが難しく、工夫が必要です。

カルシウムの吸収率をアップさせるには?

心理カウンセリング
  • ビタミンDやマグネシウムを含む食品を一緒に食べる。
  • 特にマグネシウムは、質の良い骨を形成するには欠かすことのできないミネラルです。
カルシウム・ビタミンD・マグネシウムを多く含む食品
カルシウム 豆腐、納豆などの大豆製品・ホウレン草、小松菜などの青菜類
ビタミンD さば、さんま、鮭などの脂肪の多い魚
マグネシウム ピーナッツ、クルミなどのナッツ類・昆布、のりなどの海藻類
カルシウムの吸収を妨げるものは?
吸収を妨げるもの ハム、ウィンナー、ちくわ、はんぺん などの練り製品 インスタントラーメン、インスタントコーヒー、スナック菓子、100%ジュース、他ジュース類

加工食品に含まれる添加物(保存料などに含まれるリン酸塩)がカルシウムの吸収や利用率を悪くしてしまう。

鉄分

鉄分とは、ミネラルのひとつで肺から取り込んだ酸素を全身の組織に供給する役割をしています。鉄分が不足すると、頭痛、動悸、食欲不振などの貧血症状が現れてくるようになります。貧血でもっとも多いのは、鉄不足による鉄欠乏性貧血です。無理な減量のために食事量を少なくしたり、栄養バランスの偏った食事を続けたりすると、体内の鉄が欠乏し貧血が起こります。

鉄分の吸収をアップさせるには?

鉄分を多く含む食品をしっかり食べる。
鉄分の種類 鉄分を多く含む食品
ヘム鉄(動物性食品) かつお、さば、モモ肉・ヒレ肉などの赤身 など
非ヘム鉄(植物性食品) 豆腐・納豆などの大豆製品、小松菜、モロヘイヤ、ひじき など

吸収されにくい「非ヘム鉄」は肉や魚と調理したり、新鮮な野菜や果物を一緒に食べる事で 鉄分の吸収率がアップします。

心理カウンセリング
鉄分の吸収を妨げるものは?
  • タンニンやフィチン酸は鉄の吸収を妨げます。過剰摂取には注意が必要です。
  • コーヒーやお茶は食事とはずらして飲むようにするのが良い方法です。
タンニン・フィチン酸を多く含むもの
タンニン コーヒー、緑茶、紅茶 など
フィチン酸 ライ麦、玄米 など

食物繊維

食物繊維とは、人のもつ消化酵素では消化されない成分のことをいいます。食物繊維は体内の有害物質を排出したり、余分な栄養素を吸収して排泄したり、腸内環境を整えたり、 といった働きをもっていて便秘や肥満、生活習慣病などを予防してくれます。食物繊維は水溶性(水に溶ける)と不溶性(水に溶けない)の2種類に分類され、 それぞれ働きが異なるため、両方をバランスよくとることが理想的とされています。

不溶性・水溶性食物繊維の特徴と働き

心理カウンセリング
水溶性食物繊維
特徴 水に溶けて粘着質のあるヌルヌルしたゲル状成分になる
働き ・コレステロールの抑制  ・血糖値の急な上昇を防ぐ
・胃腸での消化・吸収速度を抑制する 
・血圧の上昇を抑制する
不溶性食物線維
特徴 水分を吸収して膨張し、腸壁を刺激する
働き ・腸のぜんどう運動を促進する 
・腸内環境を整える 
・食事の満足感を向上させる
・有害物質の排出  
・便秘の改善・解消

食物繊維を多く含む食品

水溶性食物繊維
果物 プルーン、キウイフルーツ、柿
海藻類 ひじき、わかめ、昆布
いも類 さつまいも、やまといも、さといも
穀物類 押麦、玄米、オートミール
不溶性食物線維
野菜類 ごぼう、モロヘイヤ、オクラ
豆類 いんげん豆、あずき、だいず
きのこ類 きくらげ、干しいたけ、エリンギ