妊娠や出産に関するQ&A

妊娠に関するQ&A

妊娠をきっかけに、さまざまな疑問や不安も生じて来る事でしょう。よく聞かれる質問やご相談の中から、多くの皆さんに共通している内容をご紹介します。

妊娠すると脚の痙攣が起こりやすくなる?

妊娠中期ごろになると脚が痙攣するといった症状があらわれることがあります。

これは下半身のうっ血によって引き起こされる症状の一つなのです。子宮が大きくなると下半身へ流れる動脈血の流れはスムーズになりますが、逆に心臓へ戻る静脈血の流れは悪くなります。静脈血に古い血が溜まると、筋肉や神経を圧迫するようになり痙攣を引き起こすことになるのです。

改善方法としては脚を温めたり、マッサージをしたり、脚を高くして寝るなどがあげられます。カルシウムが不足することでも痙攣を起こすことがあるので、食事からカルシウムを摂取することも症状の予防や改善に必要といえます。

妊娠すると貧血になりやすくなる?

妊娠中期ごろになると貧血の人が増加するのには、食生活が大きく影響しています。特に現代の女性は食事から摂取する鉄分量が少ないために、からだに蓄えられる貯蔵鉄の量が少なくなります。そのため、胎児の成長が急速になる妊娠中期以降には体内に貯められた鉄が底をつき、鉄不足による鉄欠乏性貧血になりやすくなります。

妊娠中の貧血には葉酸の不足による葉酸欠乏性貧血も多くみられます。ビタミンBの一種である葉酸の不足は、貧血をまねくだけでなく、胎児の発育状態にも影響します。特に妊娠初期の葉酸欠乏は、胎児の神経系の異常を生じるリスクが高くなります。

葉酸は一般的に不足しにくいものですが、妊娠中は必要量が増えるため、葉酸不足になりやすくなります(通常の必要量は0.2mgですが、妊娠中には0.4mgと必要量が増加します)。葉酸は豆類(枝豆、大豆など)緑黄色野菜(ほうれん草、モロヘイヤなど)海藻類(のり、ワカメなど)に多く含まれています。 こういった食材を日頃から取り入れて葉酸不足を解消することにより、妊娠中のリスクを軽減するほか、貧血の予防・改善することもできます。

妊娠すると便秘になりやすくなる?

便秘が続くような場合には、食事量や食物繊維がとれているかといった食事内容の見直しをしたり、適度な運動を取り入れたり、自然な排便リズムを作り出すことが大切です。また、からだが冷えることによっても便秘を起こしやすくなるので、冷えが強い場合には冷え対策が必要です。

出血がありました。どうしたらいいですか?(妊娠中期以降~)
  • 『どこからの出血ですか?』
    『痔ではありませんか?』

    →膣からの出血でなければ、様子を見て診察時に痔の薬を処方します。

  • 『茶色の出血ですか?』

    →古い出血が考えられます。また、診察の刺激ででることもあります。量や回数など、気になる場合は電話相談の上、来院してください。

  • 『赤い出血がたくさんでますか?』

    →赤い出血はその時点で出ている新しい出血なので、流早産につながります。量にかかわらず、電話相談の上、受診してください。
    ※妊娠初期の場合は、お電話でご相談ください。

お腹が硬いです。おなかが張っています。
  • 『便秘はないですか?』

    →便秘の時はお腹が張りやすいです。便を出しやすくする薬を使ったり、水分をしっかり取りましょう。

  • 『お腹は冷えてないですか?』

    →まず、湯たんぽや温茶を飲んで体を温めましょう。また、安静にしたうえで1~2時間温めても変わらない時は、電話相談の上、受診してください。
    10~15分間隔または1時間に4回以上、周期的に硬くなったり痛みがあったりしますか? →子宮が収縮しています。妊娠37週未満の場合、切迫流早産に進行する場合があるので、電話相談の上、受診しましょう。1~2時間安静にしても、張りがおさまらない場合は危険です。

  • 『痛みが引かず、
    ずっと痛いですか?』

    →胎盤がはがれて、緊急性を要する場合かもしれません。胎動がなかったり、出血がある場合はすぐに受診してください。(常位胎盤早期剥離といいます。)

  • 「安静」とは…トイレや洗面以外は布団に横になり、休むということです。セックスは禁止です。お腹に力が入らないようにしましょう。


    <病院への連絡>
    ■来院される前に「お産のしおり」でご案内している緊急連絡番号までお電話をしてください。

    ■電話はご本人がおかけください。(詳しい状況や、ご本人の声の状態で判断したいため)

    ■診察券番号をお聞きしますので、診察券を用意してください。

    日中より症状がある場合は、外来の診療時間内にお越しください。

出産に関するQ&A

陣痛が始まってからの過ごし方や、実際の出産方法に関しては、みなさんの気になられているところでは無いでしょうか。出産ついて、よく聞かれるご質問やご相談をご紹介します。

こちらで紹介するQ&Aを通じて、まだ出産について具体的なイメージをお持ちで無い皆さんも、ご自分らしいお産について考えて頂き、ご家族と話し合う機会になればと思います。また、合わせて、当院のお産の内容やこだわりについて、お伝えできればと思います。

里帰り出産はできますか?

里帰り分娩につきましては、お問い合わせください。 ※妊娠20週頃までにお問い合わせいただくと余裕をもってご相談できます。

2020/4/13追記:当院で妊婦健診を受け、里帰り出産をご希望された方へ。里帰り先の病院での受け入れが困難になった方は、当院での出産の受け入れは、可能ですのでご相談ください。

里帰り出産
一人目は帝王切開ですが、二人目は自然分娩できますか?

当院では、一度帝王切開術を受けた方の2回目以降の出産には、帝王切開術をしています。

なるべく自然に産みたいと思っています。陣痛室ではどのようなことをして過ごしますか?

なるべく自然に産むためには妊娠中に体重コントロールをすることや体力づくりには不可欠です。陣痛室では、好きな音楽を聞いたり、足浴やお灸をしたりしながらすごします。 また、破水していなければ、院内にある浴槽でお湯につかり温まったり、自由な体位で過ごしたり、 散歩したり、リラックスしながら陣痛を自然に起こすようなケアをお手伝いしています。

陣痛促進剤は使用しますか?

分娩誘発や陣痛促進剤の使用など、医療的介入が必要な際には、 必ず、充分に医師からの説明をし、ご本人・パートナー(ご家族)の同意を頂いています。 ご質問、疑問な点については、医師または助産師に直接おたずねください。

入院したら、剃毛、浣腸、会陰切開などするのでしょうか? 点滴をさしたりしますか?

基本的に剃毛や浣腸は行っていません。会陰切開については、分娩時の赤ちゃんの元気度(心拍数の状況)や 会陰の皮膚組織の伸展状況(伸びやすさ)がよくない時などに、行うことがあります。 皮膚を軟らかく、伸びやすくするために、妊娠中の会陰マッサージ(※)をおすすめしています。

点滴に関しては、近年、出産時に出血が多くなる傾向があります。そのため、出血時の対応策として、分娩が近づいたらあらかじめ点滴(もしくは血管確保)をし、産後に出血予防目的で収縮剤を使用しています。

※オイルを使用し、自分で会陰のマッサージを試みる方法です。 詳しくは、助産師外来や出産準備クラスにてご説明しています。

無痛分娩はやっていますか?

当院では、様々な分娩方法のニーズにお応えするべく、2020年2月より無痛分娩を開始しました。一般産婦人科医院として、主に2名の産婦人科常勤医師が担当します。

いずれも無痛分娩を多数取り扱う施設での研修を受け、産科麻酔学会に所属し学会の指導に従い、安全に実施できるよう手順を決めて行っています。

詳細はこちら
初めての出産なのですが、お産の時は必ず仰向けですか?分娩台ではなく、陣痛室でお産することもできますか?

分娩の体位は、全例が仰向けではなく、中には、横向きや四つ這いでご出産される方もいます。お部屋は、安全な分娩を保つ(出血が多い場合や赤ちゃんが元気でない場合などに速やかに対応できるようにする)ため、 基本的に分娩室での分娩をお願いしています。

夫と子ども、実母が分娩に立ち会いたいと言っています。立ち会いは可能ですか?また、手術室の立ち会いはできますか?

分娩室の立ち会いは3名までとなります。お子様の立ち会いも可能ですが、ご本人のお子様のみとさせていただきます。中学生未満のお子様は保護者の付き添いのもと、お願い致します。帝王切開の方は立会セット(ガウン)2,000円(税抜)が別途必要になります。(帝王切開の方は状況に応じて立会が出来ない場合もございます)

産まれたての赤ちゃんをすぐ抱っこしてみたいです。立ち会いをする家族か、自分が臍の緒を切ることはできますか?

赤ちゃんが産まれた時、元気であり、産婦ご本人の出血等が問題なければ可能です。

しかし、分娩時には、陣痛のストレスにより赤ちゃんが苦しくなってしまったり、産婦さんの出血が多かったりすることがあります。 そのような場合には、出産後、赤ちゃんの呼吸を助けるなどの処置や出血を止める緊急対応を優先します。そして、赤ちゃん、また産婦ご本人の状態が落ち着いた時点で、ご面会や抱っこなど、ゆっくりしていただいています。